「貧乏」の良い面、悪い面

欲しいものが出来たとして、すぐに入手できるなら、こんなに素晴らしいことはありません。食べ物、服、住まい。人間の欲求には果てがありませんので、放っておくとさっきまで満足していたものが次の瞬間には満足できなくなっていたりします。どんなに美味しいものでも毎日食べていれば飽きるのと同様に、服や住まいに関してもそれがどんなに華やかなであろうと、いつも同レベルの物に触れていると必ず飽きてしまいます。

全てが足りている状態は案外つまらない。不思議なことなのですが、そういうことになっているのです。

では、足りていない状態を「貧乏」と定義して、この状態のメリットとデメリットを考えていきます。

普通に考えると、貧乏は悪いことばかりです。デメリットの方が多いに決まっています。なぜなら、物が足りていないと、人は生活するために困ってしまうからです。2人分の食事を用意したいにもかかわらず、なぜか材料が1人分しかなければ困りますよね?

逆に、物を使い切れないほど持っているなら、生活するためには困らないと想像してしまうでしょう。食べ物、衣類、住まいがきちんと用意されている状態です。

しかしながら、人間の社会はそんなに単純ではありません。物を持っていれば、それを羨む人がいていろいろとちょっかいを出してくるのです。例えば、お金。「そのお金を使えば、もっと生活が便利になりますよ」と声を掛けてきます。本当にうっとうしいことです。お金を十分に持っている状態は良いことばかりではない。(テーマ違いなので詳しくは書きませんが、お金に困らない人は、お金を持つことのデメリットについてよく知っている人です。)

一つの物事には良い面と悪い面があるということですけれども、実は「貧乏」にも、良い面と悪い面があります。

まずは、悪い面(デメリット)から挙げていきます。読んでいる方は悪い面の方がイメージしやすいと思いますので。

悪い面

  • 社交的な場に参加しづらい(服がない)
  • 付き合う人間が減る(社会的地位が低すぎて、卑屈になってしまう)
  • 突発的な事故があった時に、本当に困る
  • 欲しい物ができたとしても、すぐに買えない
  • 家でじっとしている時間が暇すぎる
  • 旅行に行けない
  • 恋愛できない、結婚できない、子供ができない

最後の1つは切実ですね。お金がなくても恋愛はできるという考えはあります。けれど、実際に貧乏な状態で共同生活すると「恋」という感情は隙間風と一緒にどこかへ吹き飛んでゆくものです。残るものは現実。お金が足りないと、とにかく困ることが多いと思います。(けれど、貧乏であっても2人にとって幸せならば、これ以上素敵な事は他にないでしょう。)

次に良い面(メリット)を挙げていきます。

良い面

  • 困るから考える
  • 馬鹿げたイベントに参加しなくて済む
  • 見栄を張りたくても張れない
  • 外食の回数が減る
  • 家事をこなす能力が向上する
  • お金を無駄使いしなくて済む
  • 儲け話を持ちかけてくる連中が少なくなる

貧乏をうまく利用すれば、とにかく知恵がつきます。逞しくなるのです。そうして家事をこなす能力が向上すれば、衣食住に困ることはなくなります。人が貧乏から「貧困」(←貧しくて、困っている状態)になるのは、単純に家庭科のスキルが低すぎるからです。

ただし、最後の「儲け話を持ちかけけてくる連中が少なくなる」という状態になるには、教養が必要です。というのは、今の日本は、借金をしている人間でもより多くのお金を借りることができる社会だからです。つまり、危ない。そして一度ハマったらなかなか抜け出せません。なので、ハマる前に回避する必要があります。そのための「知識」です。資産を防衛したければ、本と親しくなりましょう。

目指すべき状態

お金は、頼られると逃げてゆきます。ではどうすればいいのかというと、「ちょっと足りないくらい」な状態を維持すればよいのです。つまり、貧乏の要素を自分の中に含ませるのです。貧乏の良い面は、その人に対して知恵と逞しさを授けることです。この最大のメリットを自分の人生の中に適用させない手はありません。

たしかに、お金をたくさん持っていると便利です。けれど、扱い方を誤まると周りにいる大事な人をも不幸にしてしまうのがお金。莫大な資産を持つことは楽ではありません。この事実を知らないから、そもそも多くの人はお金持ちになれない。また、お金を持っていると、時間に余裕ができるので退屈します。いくらお金を持っていたとしても、やりたいことがなくただぶらぶらしている状態というのは精神にとってはかなりキツいことだと心得るべきでしょう。

なので、まずは、自分が今大事にしているものを見失わない環境を整備しましょう。お金持ちになるのはとても簡単です。ですが、お金持ちになるための条件が「孤独」ではつまらないかと思います。お金持ちになった時に全てを失っているのではなく、その時まで大事なものをしっかり保持している自分であるように、今のうちから準備しておくのです。そうすれば、大丈夫です。

貧乏から学ぶことは、いろいろあります。

また、お金持ちには様々な種類がありますけれど、自分の資産に対して権力を持っているのは、自ら資産を築いた者のみです。どんな人もはじめは貧乏から始まりました。

貧乏によって、人間が鍛えられたのです。大いに困ったからこそ、大事を発見できました。

だから、いってみれば、貧乏は「お金持ち」になる前のサナギです。決して悪い状態ではありません。むしろ、このサナギ期間を経ない限り、「お金持ち」にはなれません。

ちょっと困った状態を怖がらないこと。これがお金持ちになるための条件です。