「ヘヴィ・メタルとは」ハードロックとの違い、音楽的性質と精神性

ヘヴィ・メタルは音楽スタイルの一種です。

必要な楽器はドラム、ベースギター、ギターの3種類。この構成にキーボードが加わることもあります。ロックと同じですね。そうして、ボーカルが加わって、一つのグループになります。ボーカルのいないインストゥルメント(楽器だけの)バンドもあります。

ロックと違うのは音楽性です。楽器構成は同じでも、スピーカーから出る音が違います。まず、攻撃的。それから、大爆音。ライブに行ってみると、ボーカルの声はあまり聴こえないかもしれません。音がとにかくバカデカイのです。しかしおもしろいですよ。ファンが集まり、一緒になって音楽を聴くのは。

モッシュ

それで、曲の最中にモッシュと呼ばれる現象が起こります。野蛮ですね。スタンディングスペースの広いところで、走り回ったり、押し合ったりするのです。危険でして、怪我をする人もおられるようです。

モッシュ一瞬、ケガ一生

という七五調の短歌まであるほどです。誰が作ったのかは知りませんが、よく出来ております。日本人らしくてよろしいですね。ヘヴィ・メタルは海外で発生した音楽スタイルですが、音楽を通して、日本の文化活動にも貢献しているのです。素晴らしいことです。

危険ですけれど、ライブに参加しているファンは、自分の中に溜まっているエネルギーを発散したいわけです。単純にモッシュが面白くてライブにきている人もおられるかもしれません。暴れたいのですよ。せっかく来たのですから。そうして、主催者側は止めるように予め注意を呼びかけるのですが、厳しく取り締まることはできずに、ライブのたびにモッシュが起こります。また、ドラッグを服用している人もいるかもしれませんので、なおさら危険です。そう、「危険」なのですよ。ヘヴィ・メタルは。

もっと言葉を要約いたしまして、「危ない」と置き換えてもよろしいかと思います。「危ない」という単語がヘヴィ・メタルの音楽性を説明するための重要なキーワードなのです。

メタルTシャツ

それで、ライブに行きますと、みんな黒色のTシャツを着ております。ブラック。ヘヴィ・メタルのカラーといえば、ブラックなのです。かっこいいですよ。ブラックは。

ところで、「ブラック企業」という言葉があるくらいですので、なんだか「ブラック」と書いてしまうと嫌な印象ですね。ブラック。でも、それは、割りきりって考えましょう。それはそれ、これはこれ。同じ「ブラック」でも中の性質は異なります。けれど、両方ともに「危い」という性質を持っておりますがゆえ、何もかもが違うと申しますと言い過ぎになってしまうでしょう。

そうして、Tシャツについて話をしておりました。黒色のTシャツ。前面には意味のありげな絵がプリントされております。背面にも何かがプリントされている場合がほとんどです。メタルTシャツと呼ばれております。

Yシャツではダメなのですね。メタルYシャツになってしまいます。メタルYシャツがどうしていけないのかというと、前面に絵がプリントできないからです。背面にしかプリントできません。それに、動いているとYシャツはボタンがあったりして危ないのですよ。手を上に挙げたときにカフスのボタンが隣の人に当たりますと、そのひとは怪我してしまうかもしれないでしょう? 動きにくい。ダイブだってできないじゃありませんか。(ダイブもモッシュ同様。禁止されております。)

意味があるのです。ひとつひとつにちゃんと意味があるのです。

でも、高額ですよ。メタルTシャツは。4000円します。(安いですか?)しかしながら、まぁ、Tシャツ1枚の値段が高いか安いかという問題は保留することにいたします。書きたくなったら別の記事で書くことにいたします。

前面には派手なカラープリント、背面にはツアー日程が記載されているデザインが人気です。

メタルTシャツはある人にとって、「アーマー(鎧:よろい)」となりえます。地球で生きている人間全員が何事もなく社会でうまくやっていけるわけはありません。(ここからは、メタルTが持つ内面的性質について解説させていただきます。)

人は風邪を引くことがありますよね? 周囲の環境が自分にとって厳しいと生き物は体調を崩します。そして、症状が重ければ亡くなってしまうことだってあります。けれど、人間は自分で動くことができますので、薬局などへ行けば薬を買うことが出来ます。あるいは、寒ければ作業着の専門店で防寒具を買うこともできます。

寒い場所で作業するときには「防寒具」を着用するものです。冷え性の人ならなおさらですね。外の環境が極寒であるにもかかわらず薄着で長時間作業し続けますと人間は死にます。アイテムが必要なのです。

外の世界で生きていくことは非常に困難なのです。そうじゃありませんか? それで、メタルファンのある人にとっては、このメタルTシャツが「防寒具」となりうるわけです。実際に、このTシャツを制服の下に身に着けているから学校や会社に行くことができる人は大勢おります。私自身がそうです。(下手な説明ですね。ファンのみなさん、すみません。)

実際にファンになって、試しにライブに行って、最初にやることが、まずTシャツを買うことです。(私はそうでした。)着るととても気持が良くて、何かに合格したような心持ちになります。合格。いい響きですね。メタルファンは、メタルTシャツを買って、その場で着た時点で審査に合格するのです。間違いなく、メタルファンですよ、と。バンドに対する想いは人それぞれでしょうけれど、ひとまずこれで誰から見ても、バンドのファンということになります。

こうして、Tシャツを買った後に見るライブが素晴らしかったら、最高ですね。あまり面白くなかったとしても、きっといい思い出になるはずです。

歌詞の内容

歌詞の内容は、他のジャンルよりも攻撃的です。ヘヴィ・メタルはよくハードロック(HR)と一緒にされます。CDショップでは「HR/HM」としてジャンル分けされていたりしますね。ヘヴィ・メタルは「HM」というふうに記載されます。まぁ、売場スペースの事情を考えますと、ヘヴィ・メタルだけでは販売コーナーを作りにくいでしょうから、ハードロックと一緒にされてしまうのかと思います。

その名残りで、インターネットでもヘヴィ・メタルとハードロックは一緒にされてしまっているのかもしれません。

売る側の立場で考えると、一緒にしておいた方が都合がいいのです。ヘヴィ・メタルが流行している時にはハードロックバンドのCDをヘヴィ・メタルバンドのコーナーに置けば売り上げが上がるでしょうから。逆についても同様です。

「ヘヴィ・メタル」が発生した経緯

けれど、ヘヴィ・メタルとハードロックは違いまして、一緒にして考えるわけにはまいりません。共通しているところはもちろんあります。発生した順について申し上げますと、まずハードロックがありまして、次にヘヴィ・メタルが現れました。ハードロックはヘヴィ・メタルの親にあたります。単なるロックと合わせて考えますと以下のようになります。

「ロック」⇒「ハードロック」⇒「ヘヴィ・メタル」

ロック

ロックは、自由を求める音楽ですよね。自分を縛り付けているシステムから解放されたいという精神が音楽スタイルの根底にあります。たとえば、学校。あるいは、親。さらには、社会にはびこっている様々な決まり事。そんなもんは、壊してしまおう。こういうふうな曲をロックミュージシャンは歌います。

ハードロック

で、この「自由を求める精神性」をもっとハードな態度で表現したのが、ハードロックです。ロックが誕生し、時間が経つにつれて、すっかり世間に受け入れられてしまったことによって発生しました、システムを作っている側(学校、親など)がロックを聴く若者の態度に慣れてしまったのです。ロックでは弱すぎる。もっと強情な態度でないと効果がないくらいになってしまいました。そうして誕生したのが「ハードロック」です。

家で親が聞くと不愉快になるようなロックミュージック。ライブに行けば、大爆音で曲が流れ、ギターリストは持っているギターを床に叩きつけて壊し、振り回します。大丈夫なんです。ロックが商業的に大成功したことによって、ギターリストがいくら物を壊したところですぐに新しいものを手に入れることができるくらい物の供給は豊かになっていますので。そして、壊すことが、パフォーマンスの一つになりました。

落ち着きのある大人が見れば、不愉快になるくらいのパフォーマンスをするのが「ハードロック」です。

へヴィ・メタル

で、このハードロックを音楽的に過激にしたのが、「ヘヴィ・メタル」です。曲のテンポでいえば「もっと速く」、ボーカルの音域で言えば「もっと高く(低く)」、歌詞についていえば「もっと攻撃的に」。

すべてのバンドが以上の条件すべてを満たしているわけではありませんけれども、ほとんどのヘヴィ・メタルバンドは3つの内のいずれかの性質を持っているといってよいはずです。

ヘヴィ・メタルについて、ざっくりと解説しますと、以上です。本当はもっともっと書けるのでしょうけれど、長くなりますし、やめておきます。

次は、ヴァイカートが在籍しているバンドである「Helloween」(ハロウィン、もしくは、ヘロウィン)について解説せていただきます。

HELLOWEEN とは、音楽スタイル、ボーカルについての議論